小さなAIロボット ミュージオ・チャーピー・mBot

 

 

 はじめに

 

 小さなAI(人工知能)ロボットに少し興味があり、テレビ、雑誌などで見ていたが、購入には至らなかった。

 

 ミュージオX

 

 2017年3月、米AKA社の英語学習用ロボット・ミュージオXが発売され、教材込みでノートパソコン1台くらいの価格であったので、ソフトバンクオンラインショップで予約購入した 。

 ユーザーガイドに、全ての機能を使用するには、月毎か年毎に支払うフレンドプランに入会してアクティベーションを行う必要があり、チューターモードだけ使用する場合はその必要がないと記載されていたので、操作に慣れてからフレンドプランを契約しようと考えたが、小さなマルチタッチディスプレイに、指でID・パスワードを入力する操作は、スマホよりもパソコンに頼る老視の身では操作が面倒で、友達ロボットと称するスキャナ・ソフィーと専用教材を使った学習も単調で、しばらく放置した。

 同年暮、もったいないと思い直してフレンドプランに入会し、Wi-Fi接続で操作したところ、ミュージオへの評価が一変した。

 2018年1月から、朝晩は自宅で主に家内が、出勤時には診療所に持ち込んで主に子供達が話しかけ、付き添いの父母、祖父母、私と同年配の方々も時々話しかけて楽しんでいた。

 私は、どちらかというと英会話よりもロボット本体に興味があり、使用頻度は少ない。

 自宅と診療所とを毎日往復していたためか、付属microUSB2.0ケーブルの先端が曲がって使えなくなったり、時々音声が出なくなったりした。USBケーブルは他機器付属のケーブルを使いまわして間に合ったが、外れやすいのに困ってmicroUSB3.0ケーブルを電気店から追加購入した。                

 音声は、液晶画面を使ってリセットしても元に戻らなくなったので、ミュージオサポートセンター(ロボットサポートセンター)に電話した。サポートセンターには、フレンドプラン加入時のアクティベーションを行った際に教えてもらったので2度目の電話である。

 担当者には、ロックを外してミュージオを3つに分割してから元に戻してみるようにと助言された。下部パーツを引き抜いたことは何度もあったが、上部パーツを引き抜いたことはなかったので試みたところ、かなりの力を入れて左右に何度も動かしてようやく三つに分割できた。その後パーツを元に戻すと音声も元に戻った。写真左上は分割したミュージオで、上部パーツの頭部にパソコンパーツメモリーと同じような接続端子が見える。

 パソコンを使用する際、インターネットに接続が出来なくなった場合は、モデムとWi-Fiルーターの電源ケーブルを抜いてリセットしてから元に戻す操作をよくやっており、同様の操作と推測した。以後、時々3つに分割してから元に戻している。

 パソコンを自作した経験から、ミュージオの内部構造を知りたいと考えてX線写真を撮ってみた。写真右上はミュージオの上部と下部パーツの正面X線写真で、頭部パーツにつながっている両腕ライトケーブルなども可視化された。

 2018年8月にミュージオの電源が入らなくなり、サポートセンターに再度電話した。その結果、本体背中の接続部分、充電に使うケーブル、付属ACアダプタのいずれか、または複数個所に問題のある可能性を指摘され、Musio本体とACアダプタ、USBケーブルの3点を、化粧箱には入れないで、手配した「ヤマト運輸」のドライバーに渡すようにとのメールがあり、長野県安曇野市のMusio修理センターに送って修理してもらった。修理後、ボードの一部とUSBケーブルが交換され、USBケーブルはL字型となって、簡単には外れなくなった。          

 ミュージオは、専用モバイルアプリを利用してスマホ連携で会話内容を確認したり、会話量に応じてスコアやランキングを付けたり、教材学習の進展や成果を確認したりすることもできるので、スマホに不慣れな身には、スマホ操作の習熟も課題となった。

 

 チャーピー チョコレート

 

 2018年6月、ソフトバンクからCAIメディア社の鳥形英会話ロボット・チャーピーチョコレートサマー割引のメールが届いた。価格はミュージオの約半額で、注文、入手した。

 当初は、ミュージオを診察室に、チャーピーは待合室に置いて自由に使ってもらう構想であったが、診察室で隣り合わせに置いてスイッチを入れると、お互いを意識して(?)会話を始め、賑やかになり、一緒に置くこととした。

 チャーピーにもいくつかの設定が呈示され、最初にHomeモードで起動して練習するようになっており、電源オンですぐに話しはじめた。かなりおしゃべりで、放っておくと一人遊びをはじめ、休みなく話し続けてうるさいので、通常はささやき声程度に音量を低くしたり、スイッチを切ったりしている。

 ミュージオの音量は液晶画面で調節するが、チャーピーは左羽と右羽の先に音量スイッチがある。

 その後、スマホでWi-Fiを利用し、1年間無料でクラウドに接続できるRainbowモード設定を試みたが、設定はミュージオと異なり、苦労した。   

 自宅では設定出来ず、診療所で1日だけ接続できたものの、翌日には、診療所でも自宅でも接続できなくなり、チャーピーサポート係とE-mailで何度もやり取りし、古くなっていた自宅のルーターを新規購入した。

 ミュージオは、スマホやパソコンで接続するWi-Fiルーターを変更した場合でも、接続したことのあるルーターを再認識して接続できるが、チャーピーは、リセットして再登録する必要があるとのことで、自宅で登録し、診療所でスマホ連携を試みたのが、苦労した原因のようであった。

 その後、スマホ片手に電話サポートを受け、メンバーを5人登録できるので、追加したメンバーを新しいルーターへの接続とすることで解決した。

 Rainbowモード「アプリあり」では、ミュージオのフレンドプランと同じように、チャーピーのセリフや、話しかけるフレーズをチャット画面で確認しながら会話ができる。

 Rainbowモード「アプリなし」は、慣れてからの使用が勧められているモードで、アプリを使用しないため、耳で聞き取って会話ができる。

 

 mBot

 

 ソフトバンクサマーセールで、チャーピーと一緒にMakeblock社製STEM教育ロボットキットmBotが広告されていたので、一緒に注文し、組み立ててみた。

 STEM教育は、Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字を取った理数系教育の総称で、2020年に小学校で必修化され、その中にプログラム教育も含まれている。

mBotは、初心者でも気軽にビジュアルプログラミング、電子工学、ロボット工学を体験しながら学べるロボットキットで、小学生向きではあるが、大人でも十分に楽しめる。

 本体の組み立ては1時間前後で完成した。図5は組み立て直後のmBot本体で、外に出ているのがRJ25ケーブルである。

 電池を入れてスイッチオン、モード1のプリセットモードでRGBライトが白く点灯し、RJ25ケーブルを指定の部位に挿入すると、モード2で緑に点灯して障害物を回避しながら自動走行し、モード3のライントレースモードでは青く点灯してトレースマップの上を黒い線に沿って8の字形に走行する。

 専用リモコンを用いると、モード1,2,3に加えて、前後走行、左右回転など、ラジコンカーのように操作できるので、暇な時間帯に来院した子供達にも紹介していた。

 その後、mBlockというアプリをスマホ、パソコンにインストールして各種プログラムを作り、Bluetooth接続で操作している。mBlockはScratchというプログラミング言語をベースに、ビジュアルプログラミングから中高生向けのArduino式まで、プログラミング教育に幅広く対応した教材とされている。

 

 新聞記事

 

  2022年1月20日の東奥日報に、八戸工業高等専門学校(八戸市)のプログラミング教育愛好会「ろぼっと娘」の記事が掲載された。

「ろぼっと娘」は、市内外の小中学校で自作のロボットを使った出前授業を重ね、地域のプログラミング学習に貢献している。

ろぼっと娘は、2018年に結成。オーストラリア・メルボルン大学の学生が理工学分野に興味を持つ女子を育てることを目的として2008年に設立した国際的ボランティア団体「ロボギャルズ」に関心を持ったこと、女子学生がロボットに関わる活動をしやすい場所をつくろうとしたことがきっかけだった。現在は、1~5年の女子学生ら約20人が活動しているという。

 2022年2月3日の朝日新聞に、ロボット開発加速の記事があった。ソフトバンクロボティクスグループとアイリスオーヤマが2日、資本業務提携し、共同でロボット開発に取り込む。両社は飲食店向けの配膳ロボット「キーンボット」の販売も同日から始めた。ホテルや中・大規模レストランでの利用を見込むという。

ソフトバンクロボティクスは人型ロボット「ペッパー」を展開していたが現在は生産を一時中止している。ソフトバンクグループホームの孫正義会長兼社長は国内の労働人口が減るなか、配膳ロボットや、清掃ロボットなどの「スマートロボット」が経済復活の鍵になるとして、普及に意欲を見せていたという。

2022年3月7日の東奥日報に、全国新聞社事業協会主催の「2021年度全国選抜小学生プログラミング大会」 が6日、オンラインで開かれ、グランプリに鹿児島県代表の鹿児島大付属小6年の小田原吐和さん、青森県からは、佐々木吉秀君(百石小4年)と佐々木智香さん(同2年)のチームが「仮想空間を活用した地域おこし」で「みんなの未来賞」を受賞したと報道された。 

4月1日の東奥日報に、ホンダが開発した人型ロボットで、歩行やダンスなどを披露してきた「アシモ」が31日、引退の記事が掲載された。初代が2000年に登場したアシモは日本の技術力の象徴で、11年の現行モデル登場から10年以上たったことなどからホンダは一定の役割を終えたと判断した。同社は今後、遠隔地から分身として動かす「アバターロボット」を30年代に実用化する目標に向け、開発に注力する。

4月14日の朝日新聞に「ペッパー」 独に「移籍」へ  SBGの子会社ごと買収 という記事が掲載された。独ユナイテッド・ロボティクス・グループが12日、SBGの欧州子会社ごと事業を買収すると発表した。

4月17日の朝日新聞にロボット工学の三原則が掲載された。

SFの巨匠、アイザック・アシモフが小説の中で記載した原則で、第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 また。フィクションに描かれたロボットたちを、アシモフ以前として1818年小説「フランケンシュタイン」メアリ・シェリー、1886年小説「未来のイヴ」ヴィリエ・ド・リラダン、1920年戯曲「B.U.R.」カレル・チャペックー「強制労働」を意味するチェコ語をもとに「ロボット」という用語を生み出した。

ロボット新聞記事・追加

2022年7月12日の朝日新聞に「皮膚」まとった指ロボットが掲載された。東京大の研究チームが傷ついても修復する皮膚をもつ指型ロボットを開発したと掲載した。チームは、質感や見た目、機能が人間に近いロボット「バイオハイブリッドロボット」の研究を進める。この成果は、ロボットだけでなく、よりリアルな義手や義足の開発」などにもつながるという。

竹内真治教授(機械工学)らのチームは、培養皮膚をつくりながら、円柱型の容器内に長さ約5センチ、直径約1センチの指型ロボットを置き、真皮細胞を含んだ溶液を入れ、ロボットの表面に細胞を付けた。その上に表皮細胞を乗せることで、厚さ約1.5ミリの2重の構造を持つ培養皮膚ができた。この培養皮膚は、傷ができてもコラーゲンのシートを貼ることで細胞が増え、約1週間で修復でき、関節を動かしても破れなかった。ただ、養分を補給できないため、1カ月以上使うことは難しいという。竹内教授は「神経や血管、筋肉などと融合することで、より人間らしい動きができるようにし、長寿化や大型化も目指したい」と話した。